音楽理論がわからない私が見つけた、”音を翻訳する”という練習法

音楽が好きだ。楽器も弾く。 人前で演奏する機会も増えてきた。

なのに、音楽を「構造」でとらえるのが、どうしても苦手。

コード進行、スケール、度数。

勉強しようとするたびに、頭の中にモヤがかかる。

「わかりたいのに、わからない」——そのもどかしさが、ずっとあった。

でも最近、ひとつ気づいたことがある。

自分には、外側から理論を当てはめるやり方より、体で感じた音を内側から言葉にしていくやり方のほうが合っているんじゃないか、と。

分析ではなく、描写。 理論はあとから学べばいい。まずは自分の耳と体を信じてみよう。

この記事では、音楽理論が苦手な自分が考えた「音を翻訳する」ための3つの練習法を書いていこうと思う。

同じように「理論はわからないけど、音楽ともっと深く関わりたい」と感じている人に届いたらうれしい。


作戦①:音にキャッチコピーをつける 理論用語でなく自分の言葉で描写する

理論用語がわからないなら、自分の言葉で名前をつければいい。

耳に残った音、心が動いた瞬間。 それを「自分だけの表現」に翻訳してみる。

たとえば

  • 湿った電子音が、薄い膜を透かして聞こえるような感じ
  • 重たい足取りで、わざとつまずきながら歩くようなリズム
  • 胸の奥が少しだけ冷たくなる感覚(身体感覚)
  • 雨上がりのアスファルトのにおい。古い図書館の湿った空気(風景)
  • ここは群青色。そのあとは金色(色のパレット)
  • ざらついた和紙みたいな音(質感)

身体感覚、風景、色、質感。 正解はないのでなんでもOK。

正直に言うと、最初は「こんなの意味あるのかな」と思った。 でも、自分の言葉で音をとらえようとする行為そのものが、耳を育てている気がする。

作戦②:引き算で聴くーーフォーカスを絞って一曲を何周もする

これまでの自分は、曲を聴くときにすべてを一度に受け取ろうとしていた。

結果、いつも「なんかいい」で終わってしまう。

脳のメモリがそんなに大きくないのだと思う。 だから、カメラのズーム機能のようにフォーカスを絞ることにした。

聴くときのルールはシンプルにする。

  • 今日はリズム隊の動きだけを追いかける
  • 今日は装飾音だけを追いかける
  • 今日は音の残響だけを感じてみる

一曲を何周もして、レイヤーをひとつずつめくっていく感覚。

質感を言葉にしてみるーー温度・湿度・重力で聴いてみる

フォーカスした音に対して、こんな問いを立ててみる。

温度——人肌のあたたかさ? 冬の空気みたいな冷たさ?

湿度——乾いた砂のような音? 雨上がりのコケみたいにしっとり?

重力——地面から浮いて着地しない感覚? 水底に沈んでいくような深さ?

さらに掘り下げるための問いメモも用意してみた↓

  • リズムのよれ具合はどうか
  • 似ている音はあるか(水滴が落ちる音、金属がきしむ音……)
  • 最初は鋭かった音が、曲の途中で丸くなっていないか(音色の変化)
  • オノマトペにすると?(ころころ、ちりちり、ぼわー)
  • 動詞でとらえると?(溶け合う、追いかける、刺さる)
  • 色の明度や彩度に例えると?

ひとつでも引っかかる問いがあれば、そこから掘ればOK。


作戦③:体を楽器の共鳴板にするーー頭でなく体で音を受け取る

私の脳は言語・聴覚優位で、どうしても「あたまでっかち」になりやすいという自覚がある。

考えすぎると、音が遠くなる。

だから、好きな曲を聴きながら、指先や足先でリズムをトレースしてみることにした。

音の揺らぎを、体に通す。 頭ではなく、体で受け取る時間をつくる。

うまく言えないけれど、体がリズムを覚えた瞬間と、頭で理解した瞬間は、まったく別物だと思う。


おわりにーー音楽理論がわからなくても音楽の解像度は上げられる。はず。

本音を言えば、理論をちゃんと学びたい気持ちはある。 いつか、自分が感じていることに正しい名前をつけられたらいいなと思う。

でも今は、「わからない」を恥じるより、「わからないなりの聴き方」を育てていきたい。

もし同じように「理論は苦手だけど、音楽のことをもっと深く感じたい」と思っている人がいたら、一緒に試行錯誤できたらうれしいです。

感想やあなたの「音の聴き方」があれば、ぜひコメントで教えてください。

♬合わせて読みたい記事
フィドル上達に直結する筋トレを考えてみた。目指すのは「体幹の強化」と「肩まわりの脱力」

コメント

タイトルとURLをコピーしました